『君の結婚式』もやもや解消したい会
やっとレンタルする事ができた「君の結婚式」。大好きなパクボヨンがヒロインで
パッケージには「すれ違い続けた2人の、もどかしくて愛おしい初恋年代記」やら
「建築学概論の記録を塗り替えた」などの文字が躍る。こいつは涙なくして観れない
作品だろと期待MAXで鑑賞するも、ラストが「???」で涙どころか、もやもやして
眠れなくなってしまった。このもやもやの正体はなんなのかとラストをどう考えれば
納得できるのだろうかを考えてみたいと思う。
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以下、ネタバレを含む
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①ストーリー展開の謎
まずタイトルが「君の結婚式」の時点で、最終的にこの恋が実らないだろうことが
すでに予告されているワケだから、もしかして実る(ハッピーエンド)のでは?とか
ラストの結婚式でなにかが起こるのでは?などと期待できる展開が望ましい。
しかしどのような狙いかわからないが、話の中盤すぎで恋が実ってしまいラブラブ
なシーンが挿入される。海岸でのキスぐらいならいいのだが、がっつり付き合って
ますとなると、初恋も何もないだろうとなってしまう。その後、意味不明な理由で
破局してしまい、ラストの結婚式のハードルがぐんと上がってしまった。
②破局の理由が意味不明
この映画は男性主人公の目線で語られているので、女性側の「本心」はなんとなく
しか描かれていない。なので破局までのプロセスが端折られており、なぜウヨンが
あんな失言(スンヒが重荷)をするのかがよくわからない。前後の会話から想像
すると、スンヒは結婚願望が強く自分もその夢を叶えたいが、二人が付き合う
切っ掛けとなった事故の影響で就職もうまくいかず、悩んでいたと思われる。
この辺は韓国の若者の就職難が背景にあって、日本とは比較にはならない程の悩み
ではと思うが、だからと言って「彼女と再会していなければ…」までに話が飛躍
する事はないと思う。結局、ウヨンの幸せとは何なのか?となってしまう。
③結婚式でのタイミングとは?
ベルギーから帰国したスンヒに結婚することを告げられるウヨン。強がって「招待
状を送ってくれ」と言ってしまうが、いざ招待状が届くと未練が募ってしまい親友
達と釣りに出掛け式に行くのをやめようとする。親友が寝てしまったあとに一人で
スンヒと付き合っていた頃を思い出していると、「タイミング、つまりはタイミング
なんだ!」と急遽、結婚式に出席する事にする。親友たちに頼んで人払いをして
もらい、花嫁姿のスンヒと二人きりで対面するウヨン。まさにクライマックス!!
ウヨンは果たしてスンヒに何を言うのか?そしてタイミングとは?・・・・
ドラマチックな展開を期待していたが、待っていたのはウヨンの「強がり」とそれを
斬って返すスンヒの「強がり」であった。そして握手。意味わからん。
ついでに「出会ってくれてありがとう」とは言っているものの、話の流れからして
「お前と別れてから充実した日々を送っているよ」とも聞こえてしまう。
そもそも「強がり」を言うだけなら、人払いをする必要もないし、仲間に協力して
もらう事もない。タイミングについても言及がなされていないが、二人の仲はタイ
ミングが合わなかったのでしょうがないよねってことなのか?ウヨン。
〇ラブコメ脳をリセットして…
検証する為に何度も見返していると、ある事に気づく。映画のオフィシャルページに
でかでかとある「高校3年の夏に出会った男女の10年にわたるラブストーリー」
とあるが、2005年の6月に出会ってから10年と考えると2015年までとなる。
ストーリーの中では語られていないが、スンヒが別れを決める公園のシーンが多分
2015年の秋頃と思われ、ラブストーリーは一旦ここで区切られているのではと。
そう考えると、2018年に帰国したスンヒから招待状をもらい、結婚式に至るまでの
話は後日談って事になり、最後の握手なり、二人の笑顔の意味が妙に納得できて
しまう。とは言え、韓国の恋愛物に求めるのはやっぱり涙でしょう?そんなに
あっさり終わられてもねぇ。結局、一番泣いているのはスンヒ役のパクボヨンちゃん
でした。